ベイグラントストーリー台詞データ集6



 《地下街東部・農作物の価値を決めた階段》

アシュレイが入っていくと、騎士達がグリッソムの死体を検分している。

ティーガー
「ダメだ。脈がない。
死んでるな…。

ニーチ
「貴様ッ!!

「おまえが殺ったのか!!

二人、詰め寄る。
アシュレイ後ずさり背後の部屋に。


 《汚水が流れた街頭》

逃げるアシュレイを追うティーガー、反対側のドアに瞬間移動。

「貴様が殺ったんだな…。

「ティーガー、こいつだ。
こいつがVKPのリスクブレイカーだ。

「そうか、おまえが噂のリスクブレイカーとは。
仲間を殺した罪をつぐなわせてやるッ!!


「チッ、手強い。さすがリスクブレイカー。

「敵をほめてどうするんだ、ティーガー。

「一旦、退却するぞ、ニーチ。飛べるか?

「なんとかな。

二人、消える。

アシュレイ
「さっきの死体はグリッソム。
なぜここに?


 《農作物の価値を決めた階段》

アシュレイがドアを潜ると、グリッソムの死体がニーチとティーガーに向かって立ち上がる。

グリッソム
「…待ってください。
身体が、身体が思うように動かないんです。

二人、顔を見合わせる。

グリッソム振り返り、アシュレイを認める。

「お、おまえは!

「すまんな、相棒。
もうおまえを助けてやることはできんのだ。

「私はいったい……?

「グリッソム。
貴様はもう死んでいるんだ!
"魔"に取り込まれて、ゾンビになってるんだ!!

「可哀想にな。
魂となってさまよっている分にはいいんだが−
死体に取り付いたのが自分の死体だったとはな。

「おおおおおおおおッ!!!

殺せ……やつらを殺せ…

「だ、誰だ?

つらいだろう…、
哀しいだろう……。

一人は嫌だろう…、
仲間が欲しいだろう……。

やつらを殺せ!

「…街が、
街が喋っているのか??

お前の仲間は
おまえを殺そうとしているぞ。

おまえの肉体を奪うつもりだ……!
殺せ、殺すんだ、グリッソム!

「オレの血肉を……、
貴様たちにはやりはしない!!

グリッソム、飛んで逃げる。

「グリッソム!!

ティーガー、アシュレイを気にしつつ後を追う。


 《ライムストーン運搬溝・光を憎んだ階段》

アシュレイがライムストーン運搬溝に足を踏み入れたのと同時刻のルミタール広場。

ギルデンスターン
「ここか?

ローゼンクランツ
「ああ、おそらく最上階だ。

「よし、行け!

騎士たち、大聖堂へ。ギルデンスターンとサマンサも続く。

ローゼンクランツ、浮遊床に乗って去る。


 《命を売った通路》

同時刻の大聖堂最上階

キャロ
「…泣かないのね。

ハーディン
「公爵邸占拠の騒動でショックを受けて一時的に口が利けなくなっているんだ。

「お腹は空いてないか?

ジョシュア、首を横に振る。

「ずいぶんと優しいのね。

(ハーディンの影)
…国家保安庁に属していたときのことだ。
オレはある任務についての調査を受けていた。
それは敵国の反体制派へ武器を秘密裏に流すという特殊任務に対する調査だった。
その武器の一部が先方に届いていないというのだ。
武器の一部を横流しし闇ルートでさばいて小銭稼ぎをしているヤツがいると。
…皆がやっていたことさ。
犯人はオレだけじゃない。
そのとき、やつらはオレに取り引きを持ちかけてきた。
免責を保証する代わりに仲間を売れとね。

…オレにはひとまわりも年の離れた弟がいた。
弟は病気だった。
いつ死ぬかも知れない病気だったんだ。
金も、自由も欲しかった…。
オレは仲間を売った。
だが、ヤツラはオレを自由にしなかった。
牢獄から逃げた時、弟はすでに死んでいたよ……。

「あなたがメレンカンプに属するのは、あなたに不正を働かせた社会に対する復讐なの?

「また、オレの心を読んだのか!

「こんなことをしてもあなたの弟は帰ってこないわ!

「黙れッ!
貴様に何がわかるッ!!

「弱者のふりをしたってダメ!
自分の弱さを誰かのせいにしてはダメよッ!!

「貴様ッ!

ハーディン、キャロに手をあげるが、矢を受けて膝を突く。
振り返ると、クロスボウを構えた聖印騎士、
上昇してくるギルデンスターン。

「こんなに早くたどり着くとは…!

ギルデンスターン
「"飼い馴らせる"のは
貴様たちだけではないのだよ。


 《キルティア神殿・闇が生まれた聖地》

同時刻の大聖堂最上階

ギルデンスターン
「言え!鍵はどこだ?

ハーディン
「……知るか!

「ガードしても無駄だ。さあ、言うんだ。

「ほ、本当に……知らん……。

キャロ、ハーディンのそばに行こうとするジョシュアを止める。

「手がかりくらいは知っているだろう?

ギルデンスターン、"力"を使ってハーディンに圧力をかける。

「き、貴様ッ、シドニーと同じ能力を…!
何故だ……!
そこまで"魔"に……触れてはいないはずなのに!

「"魔"がレアモンデだけにしかないとでも思ったか?
法王庁をナメるな!!

ギルデンスターン、術を使う。

シドニー(に化けたギルデンスターン)
「大丈夫か?

「あ、ああ。

「もう大丈夫だ。
この街を手に入れるために後継者の儀式を行おう。

「鍵を…見つけたのか?

「鍵?

「『血塗れの罪』さ。

ああ、そうだ。
『血塗れの罪』だったな。

「オレを試しているのか?
シドニー。

ああ、そうさ。
話してくれ、兄弟。

「『血塗れの罪』と呼ばれる鍵を持つ者こそ後継者の候補だ。
後継者は、"魂(ファントム)"を生け贄にすることで、魔の力を自由に操ることのできる所有者となれる…。
魂なんかこの街にはうようよいるからな。
あとは鍵だけだ。
さあ、時間がない。見せてくれ、オレに。

術が解ける。

「くそッ!!

「『血塗れの罪』だと…?
どこかで聞いた気が……?

天井を見上げる。

「かつて異端審問が行われていた時代、"逆位置の聖印"の入れ墨を邪教の者である証として刻んだという…。
それを『血塗れの罪』と呼んだ……。

そうか!
シドニーはすでに鍵を手に入れている!!

「なに?

「ヤツの背中の入れ墨こそ『血塗れの罪』!
ヤツはすでに鍵を手に入れているのだ。
貴様は騙されていたのだよ。

「ば、ばかな…。

「だとするならば、何故、シドニーは後継者とならないのだ?
公爵の命はあとわずかだというのに…?

「まさか…公爵の命令に従うつもりなのか……?

キャロ
「いけないッ!

ギルデンスターン、背後からハーディンを刺す。
倒れるハーディン。


 《回想》

大聖堂で神像を見つめている、幼い金髪の子供。
入り口に向けて歩き出す。
入ってくる人影。
子供、笑顔でその人物に駆け寄る。

若かりし頃のバルドルバ公爵、子供を抱き締める。


 《同時刻のキルティア神殿・理性の部屋》

シドニー
「…ハーディン。

扉が開く。

ローゼンクランツ
「あのリスクブレイカーに何をさせようって言うンだ。

「わかっているんじゃないのか?

「そうか…。やっぱりアイツを"後継者"にしようっていうンだな。

「あきらめたのさ。
"不完全な死"ではやはり意味がない。

「どういう意味だ?

「わからんのか?あの男はこの魔都を受け継ぐに相応しい。
"魔"を受け継ぐすべての条件を兼ね備えている。

「あんな軟弱な精神の持ち主がか?
青二才のようにくだらない正義感にふりまわされているヤツだぞ!

「それがいいんだよ。
"魔"を悪用したりしない。
貴様のようなくだらん輩と違ってな。

シドニー、微笑む。

ローゼンクランツ、シドニーを殴る。

「…ヤツに負けた腹いせにこのオレをいたぶるつもりか?
だが、貴様はオレに『かなわない』よ。

「オレにはアンタの力は通用せンよ!
観念するンだな…。


 《理性の部屋》

アシュレイが部屋に入ると同時に、ローゼンクランツに殴り倒される。
中央に這いつくばっているシドニー。

「どーよ、この有り様!

蹴る。(注:メモにはこれしか書いてないんですが、多分ローゼンクランツがシドニーかアシュレイのどちらかを蹴ったんだと思うんです)

「なんだって、あのヤローが"後継者"なンだ?

もうオレしかいないンだぜ。
ハーディンは死んだ。
あのジジイももうすぐくたばる。
そしたら、シドニー、アンタも消えていなくなっちまうンだぜ?
この街を法王庁の馬鹿どもにくれてやるつもりか?
違うだろ?
そんなためにこれまでオレたちは苦労してきたわけじゃないはずだ。
そうだろう、シドニー?
オレに任せろ。
オレが立派におまえの意志を継いでやる。
さあ、儀式を!
オレを後継者に指名するンだ!!

「貴様のような下衆は…
地べたを這いまわっているのが
お似合いだ…。

ローゼンクランツ、シドニーの右腕を切り飛ばす。

「さすがの不死者でも切断された腕をくっつけることはできンだろ?
アッハッハッハ。

シドニー立ち上がる。

「…な、…何故だ?

右腕を拾い、

「オレの四肢は神に捧げたのさ。

腕を繋げ、指を広げる。

「…おまえの顔は見飽きた。

「…無駄だ。
アンタの能力はオレには通じンよ。

ローゼンクランツの剣がシドニーの右腕に変化している。
ローゼンクランツ、右腕を投げ捨てる。剣は元の姿に戻る。

「あ……!?

「ここがレアモンデだということを忘れるなよ、ローゼンクランツ。

「オ、オレを騙していたのかッ!

「騙した?
人聞きの悪いことをいうな。
オレの能力が効かないとお前が勝手に思い込んでいただけだろう。
大丈夫だ、ローゼンクランツ。
オレはおまえを殺さない。

カーリー像動きだし、ローゼンクランツを斬る。
ローゼンクランツ、塵になって消える。

部屋中が鳴動する。

「この街を貴様にやろう!
すべての力を貴様に託そう!!
だから、早く来いッ!
この高みまで!
もうすぐだ!
おまえなら、すぐ来れるッ!

アシュレイ
「そんなものはいらんッ!
メルローズはどこだ!

鳴動、止まる。

「失った妻子を助けることができるかもしれんぞッ!!

会ったら謝るんだな!
かつての過ちをッ!!


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