ベイグラントストーリー台詞データ集2



The body is but a vessel for the soul,
A puppet which bends to the soul's tyranny.
And lo, the body is not eternal,
For it must feed on the flesh of others.
Lest it return to the dust whence it come.
Therefore must the soul
Deceive, despise, and murder men.


肉体とは魂の器に過ぎない。
魂という暴君の傀儡(くぐつ)でしかない。
しかし、肉体は永遠の存在を許されてはいない。
日々、塵に帰さぬために
他の肉を喰らい続けねばならないのだ。
それゆえ、魂は
他人を欺き、貶め、殺すのである。

A.J.Durai





 《ワイン貯蔵庫入り口》

アシュレイ
「…どうだった?

キャロ
「監視班の二人は殺されていたわ。

「…そうか。ここだけなのか?

「少なくとも地上からは無理ね。
大きなクレバスがあって近づけないわ。

「海上からは?

「地震で生じた暗礁が海流を変化させたようで巨大な渦が所々にあって、やっぱり侵入は無理ね。
事実、我々はあの街こそがメレンカンプのアジトと踏んでエージェントを送り込んだわ。
でも、誰も帰ってこなかった……。

アシュレイ、見上げる。

「帰ってこなかったのは渦のせいじゃない……。

「そうね。少なくとも彼らを殺したのは人間だわ。

「中はどうだったの?

「行ってみればわかる…。

降りていくと、室内に騎士の死体が転がっている。

「…どういうこと?

「それを調べるのがオレの仕事だ。

…たかがワインの貯蔵庫なのに厳重すぎるな。

「あら、レアモンデ産のワインはバレンディアでも一、二を争うほどの出来だったのよ。
今は生産されていない分、プレミアムもついて高値で取り引きされているわ。

アシュレイ、落とし戸を開く。

「…見つけたら、きみにお土産として進呈するよ。

「一人で行くつもり?

「実践を経験していないエージェントは足手まといなだけだ。

「………。

「メレンカンプとシドニーについて知っていることを教えてくれ。

「…シドニー・ロスタロット。
宗教集団メレンカンプの主催者。
本名、年令は不明。数多くいる、終末論を語る自称予言者よ。

「カルト教団の宣教師がなぜこんな犯罪を?

「法王庁がどう考えているか知らないけど、少なくともVKPは彼を預言者とは捉えていないわ。
議会を陰で操るバルドルバ公爵のダークサイドを受け持つ闇の存在……、カルトは彼の隠れ蓑ってわけね。
今回の一件、仲間割れってところじゃないかしら?

「…法王庁が動いたのは"魔女狩り"だとでも?

「……この時代、自称預言者は数多いけどシドニーは特別よ。
預言と神の啓示に満ちた福音を説き、黙示録を流行歌のように口ずさむ、あの男に魅せられた信者たちは一様にこう言うの。
『彼こそ奇跡だ』と。

「………。

「…なんというか、彼は不思議な力を持っているようなのよ。
初対面の者の過去を言い当てたり、心を読んだり……。
あと、あの強烈なカリスマを前にした者は身も心も彼に捧げてしまうみたい。

「…まるで恋人を語るかのようだな。

アシュレイ、入り口に向かう。

「エージェント・ライオット!!

「24時間待って帰ってこなかったら本部へ連絡を入れてくれ。

落とし戸が閉ざされる。

「気をつけて。

キャロが階段を上がろうとすると、上にいるのは…。


 《ワイン貯蔵庫・光の出口と闇の入り口》

「ビンテージワインか……。

地震。

「…生き埋めはご免だな。

『不思議な力』か……。


 《樽柿を作った階段》

聖印騎士グッドウィン
「どうだ?開きそうか?

聖印騎士サックハイム
「…ダメだ。ビクともしない。

「どういうことだ?
さっきまで鍵なんてかかっていなかったはずだぞ?

「鍵…じゃない。
"グリモア"の力のようだ。

「誰がロックしたっていうんだ?
…内側からか?

「知るか、そんなこと!
とにかく、ここが開かない限り本隊と合流できないってことだ。
そんなことより、奥へ行った連中は?

「…いや、まだだ。

「なにを油を売っているんだ、あいつらは!

「そう、カッカするなよ。
…それよりもこっちへ来いよ。
おもしろいものが見れるぜ。

「おもしろいもの?

アシュレイ
「…グリモア?


 《ワインギルドの間》

浮遊床を見つめる騎士達。

「これも"グリモア"の力なのか?

「まったくびっくりするぜ。
聞いてはいたが、実際に目の当たりにするとな。

「…公爵邸で"竜"を見た者がいたと言っていたが…。

「ああ、"魔法"が実在するなら、ドラゴンだってなんだっているんだろうさ。

「…ギルデンスターン様らは無事なのか?

「……大丈夫…さ、きっと。

「こんなレアモンデの入口に"奇跡"が存在しているんだぞ?
奥には何がある?
レアモンデには何がある?

「…あつくなるなよ。
オレたちは新人だからよくわからんが、上層部が"グリモア"の存在を知っていたことは確かだ。
そうだろ?

「ああ。オレたちの任務はレアモンデに潜むメレンカンプのせん滅と…

「"奇跡の確保"だ。
…噂なんだが、ギルデンスターン様らも…。
その"魔法"を使うことができるらしい…。

「バカな!
我々は神に仕える身だぞ!
その我々が、いや、聖印騎士団の団長が邪教の力を使うというのか!?

「だから、あくまでも噂だ!
…だが、シドニーらが本当に"魔法"を使うのであれば、それを退治する者たちも同じ力がなければ刃が立たない気がするぞ。

「神のご加護がある!

「めでたいヤツだな。
本当に神なんぞいるとでも?

オレは神サマには
お目にかかったことはないが、"邪教の力"は信じるぜ。
…今、目の前にあるんだからな。

「………。
…そんなに簡単に使えるものなのか、"魔法"ってヤツは?

「…古代伝承学を信ずれば、誰でも使えるようにしたのが"グリモア"ってことらしい。

「それさえあれば、誰でも…。
岩を空中に浮かせることができる……。

子供の幻影がアシュレイを見つめている。


 《高級ワインの部屋》

ギルデンスターン
「うるさい議会の番犬がやってくる。
貴様たちは戻ってヤツを始末するのだ。

聖印騎士
「議会の………番犬……?

「VKPのエージェントだ。
よいか、私の命に『従う』のだ。
『貴様たちの敵はVKPのエージェント』だ。
行け!

「ハッ!

騎士達が去ると、ギルデンスターンの姿がシドニーに変化する(こっちが正体)。


 《戦慄の部屋》

アシュレイの入室と同時に地震。

「…またか。
今度は大きい!
…長居は危険だな。

 《腐った葡萄の廃棄場》

夏の草原と子供の幻影。

「・・・パパ


 《永遠の愛を誓った職人の処刑所》

ミノタウロスを倒すと、拍手が聞こえてくる。

アシュレイ
「シドニー!

シドニー
「さすが"危険請負人"!
大抵の人間は"真実"を認めず"常識"だけにとらわれる。
それゆえ、"恐怖"に支配される。
だが、貴様は別だ。
常に冷静沈着に行動し、どんな事態に対してもけっして慌てたりはしない。
けっしてな…。
まるで…
まるで"心"がないようだ。

何故だ?
何故、貴様は肉体を支配できる?
まるで絵本を読む子供と絵本の中で活躍する勇者のように、心と肉体が分離している。
既様の"心"はどこにある?
VKPの訓練の賜物か?
…それとも"心"を閉ざさねばならない何かを見たのか?

貴様の"心"を見せてくれ…。

夏の草原。木陰で憩うアシュレイ、子供、母親。
立っていった母親を何者かが切り殺す。
彼女の方に向かいかけたアシュレイの脇を飛んでいった矢が、子供を殺す。

「貴様が愛しい妻子を殺したのだな……?

「…殺したのは騎士崩れの野盗だ。

「違うな。
騎士として有能なはずの貴様が愛しい妻と子を護れなかったのだ。
騎士として、夫として、父親としての責務を果たせなかった…。
貴様が殺したのだッ!

「シドニーッ!

「オレを追ってこい、アシュレイ・ライオット!
貴様の真実は自身の中にはない。

「何が狙いだ!

「ハーディン!

ハーディン、キャロを人質に登場。

「ライオットッ!!

「メルローズ!!

「私には構わないで!
気にせず彼らを捕らえて!!

「魔都は貴様の過ちを赦し、眠れる"力"を呼び覚ますだろう!
されど、その"力"は魔都の与えたものにあらず。
自身が封印した"力"なり…!!

これはゲームだ。
オレが逃げ、貴様が追いかける。
オレは兎で、貴様は狩人ってわけだ。
だが、兎は様々な罠を張って狩人を待ち受ける……。
待っているぞ!

「待てッ、シドニーッ!!
くそッ!

封印された記憶から、いくつかのバトルアビリティを思いだした…

「これは…、いったい………。

「待っているぞ…
アシュレイ・ライオット…


 《庶民のための赤ワインが眠る部屋》

瀕死の騎士
「う……く……頼…む……、楽に…、楽にして…く……。

騎士、絶命。
ゾンビ化して向かってくる。

「これも"魔法"の力なのか、それともレアモンデの力なのか……?


 《庶民のための白ワインが眠る部屋

ゾンビ達が部屋中にいる。

「…これもゲームなのか、シドニー。


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