ベイグラントストーリー台詞データ集4



 《羽虫の森・精霊界の隣接点》

アシュレイ
「…雪?
いや、羽虫か。

アシュレイの感覚がサマンサとリンクする。

ニーチ
「どうだ?開くか?

サマンサ
「ダメね。"刻印"でがっちりとロックされているわ。
そっちはどう?

「ただの工房だ。

「そうじゃなくて、被害の方よ。

「"戦況"のことか?
市街のほとんどは制圧したぞ。

「何人死んだの?

「…60から70といったところだろう。
ただ、連絡のつかない部隊もあるから、正確な数は"作戦"が終わってからでないとわからんな。

「午後からモンスターの数が増えてるわ…。

「知っている。

「夜になったらこの地上にだって出てくる…。

「…作戦に不満か?

「そうじゃない!
ただ…、"シミュレーション"と違いすぎるわ。

「おじけづいたか、サマンサ。
作戦に"変更"はつきものだ。

ギルデンスターン
「恐怖を支配せよ。

さもなくば魂を"魔"に喰われるぞ。

「ロメオ……。

「我々の潜入に気付いたシドニーらが我々に対抗しようと、魔界から化けものどもを召喚しているのだ。
だが、やつらも制御できてはいない。
このままでは結界が破れ、化けものどもはレアモンデから溢れることになる。

「早くシドニーを捕らえないと…。

「そのとおりだよ、コマンダー・ニーチ。
わかっているなら、さっさと行動したまえ!!

ニーチ歩き出す。

「 大丈夫か、サマンサ?

「シドニーは何を考えているのかしら。
自分で制御不可能なモンスターを召喚する…。
自暴自棄になったというの?

「ヤツのことを考えるな、サマンサ。

「…生態系が崩れるのに何故?

「生態系?

ギルデンスターン、サマンサの顔をはたく。サマンサ倒れる。

「…ヤツだ。
あのリスクブレイカーの仕業だ!
くそッ!

サマンサ、口から血を流して立ち上がる。

アシュレイも口から血を流している。

ローゼンクランツ
「そいつはケース72の症例に似ているな…。

アシュレイ立ち上がり武器を抜く。

「そいつは他人の視覚や聴覚などの五感にリンクするという"能力"だ。
人はそれぞれ"波長"を持っていてな、似た"波長"を捕まえて"のっとる"のさ。

「聖印騎士団ではないな…。
シドニーの仲間か?

「能力のあるヤツは"波長"に関係なくリンクできるンだがアンタはまだ無理なようだな…。
オレの名はローゼンクランツ。
アンタと同じリスクブレイカーだ。

「何だと?

「アンタをバックアップするようリサイト長官から命じられたンだ。
パートナーってわけさ。

「リスクブレイカーは単独行動が原則だ。
それに、任務途中での作戦変更は考えられない。

「アンタは何も知らンのだろう?
メレンカンプも、レアモンデも、シドニーもなぁんにも知らンのだろうが。

「知っているとでも?

「そうさ。
知らないのはアンタだけさ。
化けものや"魔"の存在を議会やVKPは知っている!
ただ、その情報が"極秘"なだけなンだよ。

アシュレイ、武器を収める。

「続けろ。

「アンタが公爵邸からそのままレアモンデへ向かうとは思わなかったンだよ。
それで足手まといとなる情報分析官より、実戦で役に立つこのオレがパートナーを務めるよう命令されたってわけなンだ。

「"魔"の存在をVKPが知っていると言ったな。

「ああ、このオレが調査していたんだからな……。

レアモンデは"牧場"なンだよ。

「何?

「アンタがそうであるように"魔"に触れた者は不思議な"能力"を身につけることができる。
どんな"能力"を身につけるかはその時になってみないとわからンが、とにかく、人間以上の存在になれるのさ。

とにかく、その"能力"を手にするためには"魔"が必要だ。
だが、"魔"はそう簡単に制御できるシロモノじゃない。
だから議会は結界を張り、"魔"を放し飼いにすることにした。
…幸い、このレアモンデは"魔"とのつながりが深い。
古代キルティア時代に伝説の魔道師メレンカンプが築いた"魔都"だからな。
あとは"撒き餌"さえあれば、"向こう"から勝手に来てくれるってわけだ。

「撒き餌……?
まさか!

「そうさ。25年前の大地震は"撒き餌"を作るための"調理法"さ。

地震。

「さまよえる亡霊どもが哭いていやがる…。

「"魔"の所有権をめぐる争いというわけか。

「アンタは議会側の代表ってわけだ。

「……ローゼンクランツといったな。
おまえの話はとても興味深い。

「おいおい、よしてくれよ。
嘘なんか言ってないぜ。

「だが、確証はない。

「……それを探すのがアンタの役目だ。

「次は斬るぞ。
…命が惜しければ日が暮れる前にこの街を出ろ。

「森を進むなら羽虫を追うンだな。
"魔"の通り道に羽虫が集まるンだ。

アシュレイ、森の奥へ。

「本当に行っちまった…。
生きて森を抜けれるとでも思ってンのか、アイツ。

グリッソム
「このような所にいたのですか、ローゼンクランツ。

グリッソム、騎士を連れて登場。

「久しぶりだな、グリッソム。
元気そうでなによりだ。

「あの男はどこです?

「森を抜けるンだそうだ。
…追うのか?

「我が兄、デュエインの仇を討たねばなりません。

「だよな。
でもな、気を付けろよ。
アイツは強いぞ。

グリッソム、騎士に目配せ。騎士達、走り去る。

「私には神がついております。

「"魔"だろ?

「あなたこそ何をしているのですか。
契約を忘れたわけではないでしょう?
早くシドニーに合流し"鍵"の在処を探りなさい。

「わかっているよ。
…でもな、どうもシドニーの様子がヘンなンだ。

「どういうことです?

「アイツの進む先、進む先に手強いモンスターがいやがるンだ。
ま、アイツは倒しちまうんだけどな。

「ハイエナのようなあなたでもおじけづくのですか?

「バカ言うなよ。
ハイエナは用心深いンだぜ。
…どうも、シドニーが召喚しているようなンだ。

「ほう。
シドニーにとっても邪魔なのですね。

「いや、より強いモンスターには違いないが、アイツのレベルに合わせているような気がするンだ。

「どういう意味です?

「にぶいヤツだな。
つまり、シドニーがわざと"魔"の感染度を高めているンじゃないかってことだよ。

「何故です?

「さあな…。

グリッソム、肩をすくめ森の奥へ。

「羽虫を追うンだ、グリッソム。
"魔"を好むンだよ、羽虫は。

ローゼンクランツ、階段を降りつつ、

「まさか…!

地上を振り返る。


 《生還を望んだ広場》

アシュレイ、アースドラゴンを倒す。

アシュレイ
「風の流れが変わった…


グリッソム
「今の地震は…?
フェンドス!
ランカム!
何処ですかッ?
聞こえたら返事なさいッ!!

羽虫を追うんでしたね…。

 《大自然の支配に挑んだ広場》

シドニー
「やめろ、貴様には無理だ。

グリッソム
「私にも…召喚は可能なはず。
あなただけの能力ではないのですよ!!
エルケス・サルマ・ロン・サモータ。
ディアラス・フル・ゲンド・ゲルダモーダ。

「役不足だと言っている!

「太古に眠りし邪悪なる闇の騎士よ、
血塗られた五芒の輝きをその身体に刻み…

グリッソム、血を吐いて倒れる。

「ば、ばかな…。

「非力なのだよ。
あの程度の能力で"魔"を支配できるはずもない…。
限界を越えた魔法など使えるものか。

アシュレイを振り向き、

「"魔"に喰われてしまったのだ。

「……侮らないで欲しい…
…ものですね。

グリッソム立ち上がる。

「…太古に眠りし邪悪なる闇の…騎士よ、
血塗られた……五芒の輝きを…その身体に刻み…
我が血肉を持ってしもべとして導かん…。

ダーククルセイダーが召喚される。

「不思議ですね……。
身体中に"力"がみなぎっていますよ……。
兄の仇を討たせてもらいましょうか。

「……か、……神よ。

「ふむ……、嫌なにおいがする。
何のにおいだ?
ローゼンクランツと会ったのか?

アシュレイ
「レアモンデは"魔"を手に入れるための"牧場"だと聞いた。

「どう思う?

「これだけ不可思議なものを見せられたんだ。

「"魔"の存在だけは信じるということか。
つまり、目に見えないものは信じないということだな。
頭の堅いお役人だぜ。

「証拠がない。
街を崩壊させるほどの地震を人為的に起こせるとでも?
何千人もの住人を命を犠牲にして、こんな"牧場"を作ったのが議会や法王庁だと言うのか?

「聞いてみればいい。

「聞く?

「犠牲になった"証人"にさ。

「すばらしい成長ぶりだ。
さすがは危険請負人…、いや、暗殺者として鍛えられた結果か。

「…何のことだ。

「思いだせ、ライオット。

夏の草原

「…お願いだ、やめてくれ。

「逃げるな、ライオット。
自分の目で確かめろ。

マーゴ
「パパ、お水が飲みたい。

木陰のアシュレイ
「マーゴ、おまえもワインを飲むか?


「ちょっと待っててね。
今、お水を汲んでくるわ。

マーゴにワインなんか飲ませないでね。

「ワインは美味しいぞ。

「ホント?

妻、何者かに殺される。
その姿はアシュレイ。

「これは!?

「これが"真実"だ。

「バカなッ!!
まやかしだ!!

「疑うのか?
このオレを?
おまえの記憶は偽りだ。
VKPによって後から刷り込まれたニセの記憶なのだ。

「嘘だーッ!!

羽虫の森

「嘘だ…。

「近衛騎士団のエリートだったおまえは妻子を失ったことをきっかけにVKPのリスクブレイカーとなった……。
しかし、それは偽りの記憶だ!
暗殺や破壊工作を任務とする特殊部隊の一員だったおまえは、とある作戦でターゲットと異なる家族を殺害してしまった…。
国家や正義という大義のもとであればいとも簡単に生命を奪えるおまえが、罪のない善良な一家を死に追いやったのだ。

「バカな!

「VKPはおまえの罪悪感を法に対する服従へと変えるために、人格変更、つまり"洗脳"を行った……。
妻子を失った悲しみは犯罪に対する怒りになる。
それがおまえの行動原理だがその怒りはおまえ自身に向けられるべきものなのだ。

「嘘だッ!

「嘘なものか。
おまえがふるう技の数々こそがその確かな証拠ではないか?
特殊部隊で修得した"殺人技"はレアモンデの秘術じゃないぞ。

「やめろーーーッ!

「たしかな記憶などあるものか。
人は自分に都合の悪い記憶なんて忘れるものだ。
自分の都合に合わせて記憶を作り替える…。
自分自身に"嘘"をつくのさ。
たしかにVKPの洗脳があったかもしれない。
しかし、それは貴様自身が望んだことなのだ。
罪悪感から逃れるためにな。

「何が目的だ、シドニー。
オレに何をさせたいんだ…?

「真実を知って欲しいのさ。
真実をな…。

「…信じられるものか!

「いや、すでにおまえは信じ始めている。
そうだろ、ライオット?
この魔都で多くのモンスターをその目で見、亡者どもの叫びをその耳で聞いたはずだ。
あれを否定するのか?
幻影だとでも?
おまえ自身があの女の目を通して見たものは何だ?

「…貴様は過去が見えるとでもいうのか。

「違うな。
"聞く"のさ。

「…聞く?

待て、シドニー!!

「真実を知りたければオレを追って来い、アシュレイ・ライオット。


続く ベイグラントストーリーに戻る トップページに戻る