ベイグラントストーリー台詞データ集5



 《レアモンデ砦》

サマンサ
「…本当だわ。
あなたの言うとおりよ。
後から刻んだ文字もあるけど、よく見るとキルティア文字がどの壁にも刻まれているわ。
レアモンデを取り囲む城壁にはすべてキルティア文字が刻まれている…。
どういうこと?

ギルデンスターン
「これは"呪詩"だ。
レアモンデを"呪詩"がぐるりと囲んでいる。
おそらく、街中の建物すべてに刻んであるはずだ。
この街は二千年以上の昔から姿を変えていないんだからな。
風化し、地震で崩れたとはいえ、その機能は残っていよう。
…感じてはいたが、街の中央、大聖堂へ近づくほど"魔"が強いようだ。
街全体が巨大な"魔法陣"なのだッ!!

拍手。

ローゼンクランツ
「お見事!
さすがアカデミーを首席で卒業しただけはある。
すばらしい洞察力だぜ、アンタ。

「知っていたな、貴様?

「知っているもンだと思ったぜ。
…レアモンデが牧場として機能しているゆえんがそこにある。
アンタたちが探している"グラン・グリモア"とはこの魔法陣のこと。
つまり、レアモンデ全体が"グラン・グリモア"なンだよ。

「何故、黙っていた?
我々を裏切るつもりか?
どういうつもりだッ!!

「無駄だぜ。忘れたのか?
オレに"魔"は通用せンよ。

…オレはアンタたちの仲間になった覚えはないぜ。
公爵と組んでいるのも、一時的なもンだ。

「貴様には"志"というものがないのか!

「あるさ。他人のために人生を棒に振るなんてマッピラだぜ。

「その時々の利益で動くとはな。
見下げた男だ。

「こンな平和な時代だぜ。
戦場で敵を殺していればのしあがれた時代とは違うンだ。
その時々のチャンスを的確に掴まないとな。
そうだろ、ギルデンスターン?
アンタだって、オレを利用していたンじゃないか。
オレというチャンスを利用していただろ?
アンタにはまだオレが必要だ。

「貴様は娼婦だな。
生まれながらのゲスだよ、ローゼンクランツ。
貴様をリスクブレイカーから免職にしたリサイトは
有能だったというわけだ。

「お褒めにあずかり、まことに光栄でございます。

「"鍵"はどこだ?

「さあて。

「言わぬなら、ここで死ぬまでだぞ。

「オレを倒せるとでも?
これでももとリスクブレイカーなンだぜ。

サマンサの瞳が赤く変化する。

「どういうこと?
ここはどこ?
私はいったい何を見ているの?
私はここにいるのに。

「しっかりしろ!
サマンサ!!

「どこ?どこにいるの?

「…リンクしている。
今度はサマンサが同調しているんだ、ギルデンスターン。

「ヤツか!!

「近くにいるわ…。
姿を隠した。

「大丈夫か?
ティーガーと合流するぞ。

「ええ。


アシュレイが市街地へ続く扉を開けると、ギルデンスターンがいる。

「シドニーがこのエージェントに何をさせたがっていたのか確かめたかったが−
見られた以上、これまでだ。
ローゼンクランツ。
貴様が始末するんだ。
"魔を無力化する"という貴様の能力をヤツに見せてやれ!

「わかっているよ。

「…アンタとこうやって戦うハメになるとはな。
ずーっと戦ってみたいと思っていたンだ。

アシュレイ
「どういう意味だ?

「オレは昔からアンタを知っているンだ。

「!!

「アンタがVKPの犬になったきっかけを作ったのはこのオレさ。
そして、オレがこうなったのはアンタのせいなンだぜ。

「なに?

「思いださせてやるよ。
真実をなッ!!


「くそっ!!
…記憶を失っても身体に染み込ンだ殺人技の冴えは一向に衰えていないってわけか。

「殺人技だと、何のことだ?

「本当に覚えていないンだな。
VKPの洗脳も大したもンだ…。
アンタとオレは同じチームだったンだぜ!

「同じチーム?
近衛騎士団の頃を言っているのか?

「近衛騎士団だって?
…それもニセの記憶さ。
あの夏の日……
あの夏の日、
オレもあそこにいたンだぜ。

夏の草原

倒れている女性と、血塗られた剣を手にしたアシュレイ。

「さすがだぜ。リーダー。
どっちも心臓を一発だ。
…気にするなよ。
こいつらは運が悪かったんだ。
作戦の目撃者はすべて"処理"しなければならない。
それがルールだ。
こんなところにピクニックに来たのがいけないのさ。
アンタは正しいんだ。
そうさ、オレたちは正しいのさ。
国のためだ。
多少の犠牲もしかたねぇ。

「多少の犠牲だと?
いったいオレたちは何のためにこの人たちを殺さなければならないっていうんだ!
この人たちに何の罪があると?
こういった家族を守るためにオレたちがいるんじゃないのか!?

「どうしたっていうンだ?
まるで牧師の戯言のようだゼ?

視点が揺らぎ、地面に。

「おいッ、どうしたんだ!
しっかり、しっかりしろ!!

レアモンデ砦

「今でこそリスクブレイカーは
"法の番人"だが以前は違った…。
正義の味方には違いないが、国益を守るためなら何でもやる
極秘任務専門のチームだったのさ。
ときには議会に逆らう反体制派の幹部の暗殺、敵国内の革命軍に武器を供与したこともあったな。
格好よくいえば"法と秩序を護る聖戦士たち"、ってとこだが、ようは議会のゴミ処理係さ。
アンタは有能な指揮官であり戦士だった。
だが正義感が強すぎたンだ。
そんなアンタの引退を惜しんだVKPがアンタを拾ったってわけだ。

「おまえは?

「オレかい?
アンタ同様、VKPに拾われたンだがね。
メレンカンプの内偵調査に関わったときにこのレアモンデのことを知ってな。
仲間になったのさ。

「法王庁か。
それともメレンカンプか?

「両方さ。
アンタだけじゃない。
あのチームは本当に地獄だった。
おどし、盗み、殺し、そのヘンにいるゴロツキどもとかわらねえ。
ようは、相手が人か国かの違いだ。
アンタは忘れようとした。
他のやつらもそうだ。
気がヘンになったヤツもいたし、自殺したヤツもいた。
だがな、オレは違う。
利用し、のし上がってやる。
知っているだろ?
この世界は一部の特権階級が支配している。
生まれながらに特権を持ったやつら、もしくは他人を踏み台にして
財をなした資本家どもだ。
オレたちをゲームの駒のように扱ったヤツラに復讐してやるのさ。
そうさ、そのために今のオレに必要なのは−

「レアモンデか。
聖印騎士団もVKPも狙いはこのレアモンデの力か。

「そうさ。
そして、その鍵を握るのはシドニーただひとり。
…シドニーがいったい何を企ンでアンタに"魔"を感染させているのかわからンが−
どっちにしてもアイツも終わりだ。

「聖印騎士団に手を汚させるつもりか。

「宗教家なんてハナから汚れてるもンさ。

地震。

「次はこうはいかないぜ。

「負け惜しみだな、ローゼンクランツ。

「なンとでも言えッ!

「人は自分に都合のいい嘘をつく…
自分を正当化するために…か。


 《廃坑第2階層・暗闇の中での食事場》

クラウドドラゴンを倒すと、アシュレイの感覚はキャロとリンクする。

「……ット、…どこにいるの?

「…生きてい…の?
エージ……ト・ライオット。

アシュレイ
「メルローズ?
メルローズだな?
どこだ?
どこにいるッ?


廃屋風の部屋に座り込むキャロ。
それを見ているアシュレイの影。

外からの声
「ダメだ。ここも封印で封じられている!

「他を探そう!

ハーディン
「大丈夫だ。そう簡単に破られたりはしない。

刻印で封じる場合、必ずガーディアンを指定するんだが、その扉は思いきり強いヤツにしておいた。

キャロ
「あなたもシドニーのようにモンスターを召喚できるのね。

「ああ。
さあ、大聖堂に移動するぞ。

ハーディンの背後からジョシュア登場。

「あのときの……

「こいつは公爵の息子さ。
大切な人質(おきゃくさま)さ。
よほど怖かったようで、一言も喋ってくれないんだ。

「あなたにはずいぶんなついているようね。

「ああ、オレだとは知らないらしい。

「あなたたちメレンカンプが公爵邸を占拠した理由は何?
答えて!

「その必要はない。

ハーディンの影
オレたちは公爵に反旗を翻したんだ。
公爵は25年にわたって育て上げたこの牧場を処分しようとしたのさ。

「公爵はこの牧場を処分しようとした……

「おまえ……

公爵は死の病にかかっている。
死の間際になって、自分のやっていることが恐ろしくなったようだ。
だから、自分の命のあるうちにこの街をなかったものにしようとしている。

「この街を公爵の手から奪おうとしているのね、
あなたたちは。

「貴様、オレの心を読んでいるのか!?

ハーディンの影、消える。

「なぜ、公爵邸を占拠したの?

「答えなさい!

再びハーディンの影が現れる。

後継者となるためには"鍵"が必要だ。
グラン・グリモアの真の力を引き出すにはその所有者にならなければならない。

「鍵?

所有者である公爵はもうすぐ死ぬ。
後継者がいないまま所有者が死んでしまってはすべてが終わる。
公爵は呪われたメレンカンプの血脈を断ち切ろうとしているが、そんなことはさせない。
我々が引き継ぐのだ。
シドニーは−

影消える。
ハーディン、自分の脚を刺している。

「これ以上、オレに手間をかけさせるな…。
移動するんだ。

「…これが私の能力なの?

「ああ、そうだ。
オレが離れた場所の状況を見ることができるように−
おまえは他人の心を読むという才能が開花したようだな。

「才能?

「誰でも能力を持っている。
だが、その能力は"負の能力"だ。
普段存在してはいけない能力なんだ。
その眠る能力を取り戻すには"負のパワー"が必要なのさ。

「それが"魔"?

「ああ、そういうことだ。

「シドニーも…?

「ああ、アイツがオレの知っている限りでは一番優秀だ。
他人の過去を読みとったり、他人に自分の意志を押しつけたり、と様々だ。
オレの知らない能力を持っているかもしれん。

「哀しいわね…。

「何がだ?

「他人の過去を読みとって真実を手にしても、押し付ける能力があっては
その言葉が真実か嘘なのかわからない。
彼は真実を話していても、それを信じさせられてしまう限り
真実か嘘かを私たちは見抜けないわ。

「ふん、馬鹿なことを。
人間は誰だって嘘をつく。
負の能力があろうがなかろうが、嘘をつき、信じさせることは誰だってできる。
そうだろ?

それにアイツがオレに嘘をつくものか。

「あなたたちはグラン・グリモアを
手に入れて何をするつもり?

「………。

「いいわ。
行きましょう。
でも、シドニーはあなたに何かを隠しているわ。

「…ロープを持ってくる。

アシュレイ戻ってくる。

「他人の意識に自分の意志を刷り込む能力…。
オレが見たあの"真実の過去"も嘘かもしれない…。


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